デザイン思考をビジョンの策定に応用しています | ビジョン、デザイン、戦略、未来、中期経営計画、グローバル経営

(株)日仏経済戦略研究所

03-5219-1466 受付時間 9:00〜18:00(平日)

戦略の視点

2019.05.04 クリエイティビティー

デザイン思考をビジョンの策定に応用しています

Yuval Noah Harariが、人類の未来について論ずる著書"ホモ・デウス"の中で以下のように述べています:「今やテクノロジーは急速に進歩しており、議会も独裁者も到底処理が追いつかないデータに圧倒されている。まさにそのために、今日の政治家は一世紀前の先人よりもはるかに小さなスケールで物事を考えている。結果として、21世紀初頭の政治は壮大なビジョンを失っている。政府は単なる管理者になった。国を管理するが、もう導きはしない。」

一方、デザイン会社IDEOのCEOを務めるTim Brownは、"デザイン思考が世界を変える"という著書において、近年の経営課題の例として以下のようなことを挙げています:
• 個人と社会全体のニーズのバランスを取る新たな製品を開発したい
• 医療、貧困、教育といった世界的な課題に取り組む新たなアイディアが欲しい
• 重大な差別化を生み出し、それに触発された人々に目的意識を芽生えさせる新たな戦略を策定したい

国はもはや進むべき道を示さない、そして経営課題が益々複雑化する中で、経営者は自社の進むべき方向をどう示せば良いのでしょうか。2019年の今、自社の未来について考える時、それは既存の延長線上にはない、非連続な未来である必要があります。これまでの顧客や競合に注意を払っているだけでは、未来を大きく見誤ってしまいます。地球の裏側で起こっている地政学的な変化、サイエンスの未来、テクノロジーへの応用、医療の進歩、など人類を待ち受ける未来は誰にも予測できません。

だから、私たちは想像力と創造力を駆使して、未来をについて思考し、その頃のマーケット、競合、自社はどのような状況にあるのかを考え続けなくてはなりません。John P Kotterは、名著"企業変革力"の中で、「優れたビジョンを生み出す作業は、頭脳と心の両方を投入することが求められ、その作業には長い時間がかかり、多くの人々の参画が必要とされ、かつ見事に完遂するためには大きな困難が伴う」と述べています。

企業が見事なビジョンを策定することは極めて困難であるとKotterは言いますが、これは会社を通じて夢を描き、実現するプロセスを意味します。その夢を社員、社会と共有する雄弁さが今経営者に求められていると言えないでしょうか。我が社では、企業のビジョン策定に、デザイン思考によるクリエイティブな問題解決、さらに意味のイノベーションを応用しています。

<<地政学は面白い: 5月13日、蟹瀬誠一さんによる講演のファシリテーションをさせていただきました
一覧ページへ戻る
フランスの化学メーカー主催の欧州・中近東ディストリビューター向け戦略会議がマルセイユで開催され、80人の参加者に対して講演とワークショップを行いました>>
PAGETOP
▲ PAGETOP